リスク社会の科学教育―科学を統治する市民を育てるー

このブログは、大学で科学教育を担当している筆者(荻原彰)が、現代の巨大な科学技術を市民が適切に統治するため、科学教育はどうあるべきかを考えていくブログです

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

硬い」科学観・科学者観の変革-ゴジラとシンゴジラ

ゴジラは日本の代表的なSF映画であり、世界的にもキングコングと並ぶ2大スターである。ゴジラは科学技術と社会の関係を考える上でも興味深い。ゴジラが登場した第1作では古生物学者の山根博士が権威者として登場し、政府の顧問としてゴジラについての議論を…

教科書はなぜ退屈か

中学校や高校の理科の教科書を覚えておられるだろうか。理科の教科書を面白いと思った記憶のある方は少ないのではないだろうか。理科を長く教えてきた私もそうである。教科書の重要性を理解しているつもりではあるが、およそ読んでおもしろいものではない。 …

「何のための科学技術なのか」という問い

科学技術は何のためにあり、科学者・技術者のミッションは何だろうか? このことについては、科学技術が一つの独立した社会的営為として認識され、科学者・技術者という職業が成立して以来、無数の論考があり、無数の議論がある。ここではその内容自体には立…